3.11で被災。10年かけて東北出店7店舗。オーダーメイド枕で「東北を朝から元気に!」

オーダーメイド枕の店「まくらぼ」は、東日本大震災から復興・創生に向かう東北の「健康と睡眠」をサポートしていくために重点的に出店を進め、2021年3月1日に7店舗目となる「まくらぼ 仙台泉パークタウンタピオ店」をオープン。
3月7日で東北エリアのオーダーメイド枕の愛用者が2万人を越えたことを受けて、東北とともに歩んでいく未来を見据えたメッセージを発表した。

東北エリアオーダーメイド枕累計販売数(※2021年3月7日現在)

オーダーメイド枕の店「まくらぼ」を運営するFutonto株式会社(本社:東京都町田市 代表取締役社長:齊藤 淨一 以下、Futonto)の、東北エリアのオーダーメイド枕ご愛用者が2万4,056人(2021年3月7日調べ)となった。

今年、創業10年を迎えるFutontoは、この3月で全国31店舗を展開予定。
寝具を通じて「世界を朝から元気にする」という目的に向かって、社員一丸となって突き進んでいる。

今も余震が続く東北地方では、3.11の記憶や転居などの生活の変化から「寝つきが悪くなった」といった睡眠の質の悪化に悩まされている被災者が多いことが、東北大学による調査(※)などから明らかになっている。

Futontoは「睡眠環境を向上させる」という事業活動を通じ、東北地方の健康と雇用を支援していく方針で、重点的に出店を進めてきた。
その背景には、Futontoが3.11被災から始まったという、創業者の強い想いがあった。

「日本を朝から元気にする!」―3.11被災からFutonto設立へ

スリープマイスター Futonto代表 齊藤 淨一

「もともと父親の田舎が宮城県の鳴子でした。それで2011年3月に独立して寝具店を出すとき、仙台を選んだんです。そのオープン10日後に地震が来ました

大手寝具メーカーのセールスから出発した齊藤は、当時、寝具業界では寝具セットのサービスアイテムのような存在だった枕を「一年中お客様のそばに寄りそう商品。しかも、もっとも合う合わないの個人差が出やすいもの」と考えていた。
そして一人ひとりに合わせた「オーダーメイド枕」なら、多くの人に「より良い睡眠」を提供できる。多くの人を笑顔にできると、新しい事業に燃えていた。

「震災の日、私は仕事で関東にいました。
揺れが収まってすぐ、あわてて仙台の店に電話したんですが、一時間くらいかけても全然つながらない。

唯一、電話がつながったのが福島に納品に行っていた社員でした。
『社長、やばい、やばいです。川が氾濫してる』『さっき納品したお客様の家がない!たぶん流された…』って。
それが津波でした。もう逃げろとしか言えなくて…。

翌日、食料や水とか日用品をかき集めて、関越道から山形経由で宮城に入りました。
そうしたら仙台の店舗ビルも被災していて、事業撤退せざるを得なかった。

会社をたたみ、社員の引っ越し先を用意して、関東に一時撤退しました。
必ず、ここに戻ってくるぞ!って思いながら…」

東京都町田市でFutontoが設立されたのは、それから4か月後の7月1日のことだった。

2011年9月 まくらぼ 1号店オープン

被災体験は、齊藤のビジネス観にも大きな影響を与えたという。

「『日本を元気にする!』それが、自分のビジネスの信念になりました。
そして、その目的を支えるのは「健康」だと考えました。まずはわれわれ社員が健康でなくては、お客様を健康にはできない。

だからFutontoでは、入社するとパートタイム・正社員問わず、全員にオーダーメイド枕をプレゼントします。
そして、心と身体の健康のために大切な睡眠について、各大学や企業のエビデンスに基づいた最新知識とスキルを身につけられる教育体制を整えています。

一人ひとりが実感した「健康と睡眠の大切さ」を、今度はお客様に寄りそって伝えていこうという思いに共感してくれた人とともに成長してきました。

その後、この理念は世界に通じるものだという考えに至り、『世界を朝から元気にする』ことが、Futontoの経営理念となったのです」

「必ず戻る」と誓った。東北エリアの出店で健康と雇用を支援していく

関東で再出発したまくらぼが、満を持して東北1号店を青森県にオープンできたのは2018年4月だった。
その後、毎年ショッピングモールに出店を続け、現在は7店舗を展開している。
各店舗では地元の雇用の受け皿となることを目指し、特に女性や主婦層を積極的に雇用してきた。

  • 2018年4月: まくらぼELM(エルム)店オープン(青森県五所川原市)
  • 2018年8月: まくらぼイオンモール天童店オープン(山形県天童市)
  • 2018年11月: まくらぼイオンモール盛岡店オープン(岩手県盛岡市)
  • 2019年4月: まくらぼイオンモール下田店オープン(青森県上北郡)
  • 2019年7月: まくらぼイオンモール秋田店オープン(秋田県秋田市)
  • 2019年8月:まくらぼ イオンモール三川店オープン(山形県東田川郡)※期間限定ショップ
  • 2019年11月: まくらぼイオンモール大曲店オープン(秋田県大仙市)
  • 2020年1月: まくらぼ江釣子パル店オープン(岩手県北上市)※期間限定ショップ
  • 2021年3月: まくらぼ仙台泉パークタウンタピオ店オープン(宮城県仙台市)

▼東北エリアのまくらぼを探す(まくらぼ公式サイト)
https://yoyaku.makulab.jp/ordermakura-sagasu/area_tohoku/

お客様の声に、自分たちも元気づけられた

Futontoでは購入したお客様にアンケート収集しており、東北エリアからのあたたかいメッセージとともに、これからも東北に寄り添い、一人ひとり違う睡眠のお悩みをサポートしていくことを各店舗で共有している。

「退院したら体調が変化して寝具が合わなくなったので、枕と布団を買いました。枕が変わって約一年になりますが、いびきが改善して家族にうるさいと言われなくなりました。布団も寝返りをうつのが楽になり、ホカホカで冬には最高でした」(秋田県 女性)

「商品説明がわかりやすく、(フィッティングして)体感でも良さが伝わりました。使いはじめて20日ほどになりますが首こり・肩こりも改善し、以前より朝の目覚めがよくなりました。疲れがとれて、頭がスッキリしたように思います」(岩手県 男性)

「2ヶ月ほど使いましたが、首こりが改善されました。以前の枕は、朝起きるとズレて(頭が落ちて)いましたが、購入後は朝まで頭の下に枕があるのが気に入っています。長く使っていきたいです」(青森県 男性)

お客様の健康のために、社員自身が朝から元気でいられるようにする。
その経営方針は、新型コロナウィルスに揺れている現在の店舗運営にも貫かれている。
2020年4・5月は27店舗中、最大21店舗が休業となったが、全社員に給与を全額保障した。

それでも4月5月含む売上高は昨年を上回っており、2021年6月の決算では20億円を超えると予想している。
日本全体でも健康意識が高まり、睡眠の大切さに共感するお客様が増えた結果だと言える。

3.11がきっかけで生まれた小さなベンチャーは、「世界を元気にする」ために、今日も奔走している。

※東日本大震災から8年 被災者の厳しい現状を知る4つのキーワード(NHK)
https://www.nhk.or.jp/special/plus/articles/20190402/keyword.html

■Futonto 株式会社
所在地:〒194-0013 東京都町田市原町田6-27-19平本ビル
代表者:齊藤 淨一
設 立:2011年7月1日
まくらぼ 公式サイト https://www.makulab.jp/
Futonto公式サイト https://futonto.co.jp/
事業内容:オーダーメイド枕の店「まくらぼ」を全国29店舗展開。一人ひとりのお客様に合わせた「オーダーメイド枕」を中心とした寝具の企画・販売にとどまらず、睡眠計測アプリの配信、睡眠学セミナー等の情報発信を行う。

■お問い合わせ先
Futonto株式会社 広報部 担当:坂野
TEL:042-732-6667